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書簡

太陽の読書記録

2017'11.22.Wed
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2005'05.09.Mon


浅倉卓哉:著
ジャンル:歴史ファンタジー
好き度:3

<あらすじ>
友恵と、幼なじみの武蔵、そして親友の弟志郎は、神社の木の下で雷に打たれ、姿を消した…
目覚めた先は800年前の日本…そこで3人はそれぞれ別々の場所で運命の人と出会い、戦乱の中へ巻き込まれていく…

<感想>
少し、辛口の評価になることを先にことわっておきます。
面白かったです。…面白かったんですけど、世間で人が騒ぐほど、手放しで「いい!」とは言い切れないな…というのが率直な感想です。
それぞれのエピソードはぐっとくるものがあっていいと思います。木曾殿の最期のシーンでは、流れこそしませんでしたが涙がこみ上げてきましたから。
でも、なんと言いますか…大風呂敷を広げすぎた感じ…と言うのが一番いいのでしょうか。焦点が定まらず、どこに感情移入していいのか分からなかったです。(私は基本的には、感情移入型の読者なんで)
これは私の勝手な解釈なので作者の意図とは違うかも知れませんが、それぞれの場所で1人1人の人間がいろいろと考え、いろんな思いを抱いて生きて行動してきた結果が歴史を築いている…だから、作者はあえて一つの視点で物語を書かなかったのかもしれません。それはとってもよく分かるんですが、でもやっぱり、一読者としては、木曾なら木曾で、そこだけに、もしくはかなりの重点をそこに置いて書いてくれた方が、もう少し物語りの世界に入って行けたかな…と思います。
でも、同じように、視点を一つにしないで、10人近い人物の視点で書いている「氷と炎の歌シリーズ」(J.R.R.マーティン)は、違った視線であるからこそ物語が重層で深みのあるものになっていると思うので、その辺は文章力の違いなのかな…と思いました。

木曾義仲と巴御前は文句なしに素敵でしたv平家物語は読んでいないので、まったくの先入観なしに読めたのがよかったのかもしれません。
というか、義仲のイメージって「リョウ」の義仲くらいしかなかったもので(笑)
巴は格好いいですね…(あえて、「巴」と書いてます)戦う女性は大好きです。その身に弱さも葛藤も抱きながら、それでも真っ直ぐ戦い続ける女性は本当に格好いいです。
そう言う意味では、後白河院の妻、冷泉の局も好きなキャラでしたv
人物描写自体には文句ないんですけどね…

アマゾンのレビューで「あと10年後に書いて欲しかった」と書いている方がいらっしゃったのですが、私も大いに同意します。
この内容、テーマを書くには、著者はまだ力不足だったのだと思います。


どんどん辛口になっていって、この本好きな方には本当に申し訳ないのですが、どうも私はこの本が伝えようとしているメッセージ自体が好ましくなかったです。
「すべて運命は決まっている」「歴史は決まっている」…ていうのはどうだろうか?と。
それだと、「じゃぁ自分は何のために頑張ってるのよ!」と思ってしまう。
私はそもそも「運命論」というものは根本的に成り立たないと思っているので、この話は受け入れがたかったです。
世の中すべて「バタフライ・エフェクト」(ほんのわずかなことが、世界を大きく変える、という専門用語)だと思いますよ。現代の人間が過去に行ったとしたら、その人間が虫一匹殺しただけで、歴史はまったく違った方向へ向かってしまうだろう…という考えの方が、私は信じられます。

あくまでも、「私は」そう思う、という話しです。
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