2005'02.25.Fri
恩田陸:著
ジャンル:青春
好き度:4
<あらすじ>
あの一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった、とあたしは思う。
夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。
気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る――>
あらすじ、アマゾンの内容紹介をお借りしました。自分で書くと主観が入りすぎてしまうような気がしたので。
<感想>
貴子が他人とは思えなかった。
これが私の感想のすべてです。
貴子が融に対して行った賭…実は私も似たようなものを中3のとき、していたのです。
私の場合は見事に負けてしまいましたが。
あ、私には別に異母兄弟はいませんよ。
でも、自分は決して嫌っているわけではないんだけど、相手は自分をひどく嫌っていることが分かって…本当は仲良くなりたい、でもきっかけをつかめない。そんな貴子の気持ちが痛いほど分かって…
私の立場はどちらかというと融の方に近かったのですが、貴子の惨めな感じや罪悪感、切望…私が中3の時感じていたものとすごく近い気がして…
もし、あのときの私に、歩行祭のような行事があって、忍や美和子、杏奈のような友人がいてくれたら、もう少し状況は変わっていただろうか…と思わずにいられませんでした。
なんか本の感想じゃなくなってますね。
でも、この本を自分と引き離して評価したり、感想をいったりは、今の私には出来そうにないです。
もうあと10年くらいたって、私も貴子のように、ちゃんとけじめをつけられるようになったら、もう一度改めて読んでみたい本です。
デカイ声で言えないので、小文字書きますが、正直貴子の奇跡が私には許せなかったんです。
それまで、ずっと感情移入を通り越して、貴子に同化して読み進めて行ったのですが、最後にきて、奇跡を起こせた貴子と、起こせなかった自分の違いをはっきり見せつけられて悔しくて仕方なかった。
貴子を祝福してあげられないのは、私の中で過去のことを引きずっているせいだと思います。
だから、もう少し大人になって、ちゃんと過去に向き合って、すべて精算してから、もう一度読み返したな、と思います。
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