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書簡

太陽の読書記録

2024'04.24.Wed
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2009'02.14.Sat

不連続の世界
恩田陸:著
ジャンル:現代ミステリー(ホラー)
好き度:4

<あらすじ>
『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。(「BOOK」データベースより)

<感想>
恩田さんの本、久々に読みました。
↑にもあるように、『月の裏側』の多聞さんが主人公の短編連作。
ここ最近の恩田さんの本はラストがモヤっとな話が多かったのと、前作の『月の裏側』があまり好きじゃなかったので、まったく期待しないで読んだのですが、嬉しい誤算で、かなりまともな(という言い方は失礼ですね)良質なホラーミステリーでした。
ホラーと言っても、ちょっと不思議…程度なので、怖い話が苦手な人でも大丈夫です。
特に最後の「夜明けのガスパール」がよかったです。
多聞さんの人柄が出ていて、ラストは思わず「あぁ」と唸らされました。
恩田さんは、案外長編より、これくらいの長さのミステリーの方があってるのかも、とすら思えました。
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2008'02.29.Fri

陰陽屋へようこそ
天野頌子:著
ジャンル:現代FS
好き度:4.5

<あらすじ>
不幸続きの沢崎家。これは何か憑いているせいではないか。
とんでもない心配をする母親に付き添って、怪しげな占い屋「陰陽屋」へやってきた瞬太。
そこで美青年インチキ陰陽師、安部祥明と出会い、何故かアルバイトをすることになってしまう。

<感想>
どこまでネタバレしていいものか悩むところですが、第一話の中程で明かされる真実はバラしちゃってもOKですかね?というか、それバラさないと感想言えないのでバラします。ネタバレ嫌な人はスルーで。

主人公の瞬太くん、実は興奮すると耳と尻尾が生えて目が金色になる狐っこです。
妖狐…と言っても、尻尾の先から狐火が出せるくらいしか能力はもっていないのでただのマスコット以外の役には立ちません。
ただもうこの子可愛すぎです(><)
新聞部でスキャンダルを探している委員長高坂くんとのコンビが好きです。
と言うか、巻末の高坂視点の番外編がすごく好きです!
もうお前ら可愛すぎ(><)って感じです。
まあ、バレてない方がおかしいですけど、バレてないと思っている瞬太も、バレてないと思ってる瞬太を必死で守ってあげてる友達たちも、みんな可愛すぎです。
お馬鹿な子っていとおしいですよね(笑)
2007'09.04.Tue

ラスト・イニング
あさのあつこ:著
ジャンル:青春
好き度:4.5

<あらすじ>
新田東とのあの試合から二ヶ月。
野球部のない地元の進学校へいった瑞垣は何をするでもなく、無為に日々を送っていたが…

<感想>
「バッテリーの後日譚by瑞垣」です。
あの試合の結果も気になるところだったのですが、それ以上に、瑞垣はバッテリーの中でもその後が気になるキャラだったので、書いてくれてありがとう、という気持ちです。
野球をやめてどうなってしまうのか…
予知していた通り味気ない毎日だけど、得意の軽口で自分をごまかして過ごしていたようです。
そして、作中もう一人の天才門脇も、新たな局面に追い込まれていたようです。
二人がこれからどうなっていくのか、どんな道を歩んでいくのか。
最後は思わず、「頑張れ」と声に出して言いたくなりました。
方法は違っても、二人とも同じものを求めて、歩み続けて欲しいです。

そして、初登場の瑞垣妹のエピソードが好きでしたv
瑞垣のお兄ちゃんっぷりも必見です。
最後の電話のシーンでは思わず顔がにやけました(笑)
2007'08.30.Thu

イニシエーション・ラブ
乾くるみ:著
ジャンル:現代
好き度:4

<あらすじ>
合コンで知り合った、たっくんとマユ
不器用ながらも純粋に交際を続けていく二人だが…

<感想>
帯に「大きな罠」「数々の伏線」「ラストに大どんでん返し」とあったのでどんなもんだろうと読み始めたのですが、ラスト2頁までは完全にただの恋愛小説。
ラストの2行を読んでしばらくどういうことか分からず「?」だったのですが、しばらく考えて真相にたどり着いた時には「なるほど!」と。
ああ~、確かに大どんでん返しです。完全に騙されました。
どんでん返しがあると分かって読んでいても騙されるんですから、何の予備知識もなく読んだらかなり衝撃的だっただろうな、と思います。
真相を分かった上でもう一回読み返すと、ある人物の印象が1回目と全然違います。
いやあ…うん、怖いね、人間って(笑)
2007'07.15.Sun

クジラの彼
有川浩:著
ジャンル:現代恋愛
好き度:4

自衛隊を舞台にした6つの恋愛短編集

『海の底』『空の中』の番外編的作品が6編中3編をしめているので、そちらもあわせて読むといいのかも(ちなみに私はまだ読んでません)
全部絶妙な胸キュン具合だったのですが(笑)、特に好きなのは「クジラの彼」と「ロールアウト」
クジラの彼の冬原さんが格好いい…素敵だv
『海の底』は絶対読まねば!と思いました。

内容もさることながら、後書きに大変共感いたしました(笑)

いい年した大人が活字でベタ甘ラブロマ好きで何が悪い!

そうだ!何が悪いー!
漫画や映画もいいけど、活字ならではって、本当にあると思うんですよね。

私は、いわゆる「難病もの」とか「死にネタ」とか(に限らないのですがとにかく)作者の「泣かそう」という意図が見え見えなラブストーリーって苦手なのですが、ベタ甘なラブストーリーは割と好きなんだな、と最近気づきつつあります。
2007'06.24.Sun

フィッシュ・ストーリー
伊坂幸太郎:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

短編集。
リンクしている部分があるので、『ラッシュライフ』や『重力ピエロ』を読んでから読むと楽しさ倍増。
一番好きなのは書き下ろしの「ポテチ」
塩味ポテチを食べて言った彼女の言葉に涙を流すシーンが、すべて分かった上で読むとめちゃくちゃいいシーンだな、と思います。
伊坂さんってこういう後から思い返すといいシーン…というのが上手いなあと思います。
2006'08.05.Sat

BG、あるいは死せるカイニス
石持浅海:著
ジャンル:現代ミステリー
おすすめ度:4

<あらすじ>
全員女性の姿で生まれて、その中で優れた者だけ男性に性転換する、男性が優遇された世界。
ある日、遙の姉が高校の裏庭でレイプ未遂の死体となって発見された。美人で人望厚く、成績優秀、運動能力も優れた男性化候補の筆頭であった彼女は何故殺されたのか。
警察や女性有能ジャーナリストが追う、「BG」のもつ意味とは。
遙は姉のもつ秘密を探ろうとする…

<感想>
あんまり期待しないで読んだのですが面白かったです。
女性がある年齢を超えると、優秀な者だけ男性に転換する…という、ちょっと想像しにくい世界観の話なのですが、それを上手く使った、なかなか読ませるミステリーでした。

「男性は優れている」「男性を優遇しよう」と言いながら、実際の権力を握っているのは人数の多い女性で、優遇することで男性を社会から排除してしまっている。
このあたり、作者は「フェニミズム」風潮のことを頭に置いて書いてるのかなと思いました。
2006'06.01.Thu

恩田陸:著
ジャンル:現代ミステリー
おすすめ度:4

<あらすじ>
裏返されたら、どうなる?正体不明の存在「あれ」と戦い続けてきた一家。最後のプレイヤーとなった娘が誘い込まれたのは、罠と嘘の迷宮だった。
(「BOOK」データベースより)

<感想>
常野物語第三段。『光の帝国』の「オセロゲーム」の続編です。
賛否どちらかと言うと否の評価の方が多く聞こえた作品ですが、個人的には結構好きです…。
常野物語と言うより、『球形の季節』の雰囲気に近い気がします。
『球形の季節』は、初めて読んだときは正直よく分からないというか、あまり面白いとは感じなかったのですが、美少年論を書くために「藤田晋」に注目して読んだら、すごく面白くて……
その経験があったせいか、今回の『エンドゲーム』も、火浦に焦点を当てて「翻弄する美少年」「傷を負った美少年」を念頭に置きながら読んだら、なかなか奥深いものがあって面白かったです。
2006'03.21.Tue


あさのあつこ著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:3.5

<あらすじ>
十六歳の永見明帆は、同級生の藍子とつきあっていても冷えた感情を自覚するだけ。唯一、彼が心に留める存在は藍子と同じアパートに住む彼女の幼なじみ、柏木陽だった。藍子の様子がおかしい?そう気づいたある日、母親とけんかした陽が突然泊めてくれ、と訪ねてくる。その夜半、陽のアパートが火事で全焼、藍子も焼死体で発見される。だが、それは単なる事故ではなかった。真相を探り始めた彼らに近づく、謎の存在。自分の心の奥底にある負の部分に搦め捕られそうになる、二人の少年。十代という若さにこそ存在する心の闇を昇華した、著者渾身の問題作。
(「BOOK」データーベースより)

<感想>
冒頭から物語に引き込まれて一気に読んでしまいました。
ただ、ラストは消化不良気味。
題材はいいだけに、すべて解決されていないというか、伏線が伏線で終わっているところが目に付きました。
なんとか無理矢理終わらせた感があるのは、続編を書くつもりだからなんでしょうか?
2006'01.01.Sun


伊坂幸太郎:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5

<あらすじ>
異父兄弟の泉と春。
春は母親がレイプされたときに出来た子ども。
二人はとても仲が良く、いつも一緒だった。

壁に書かれた落書きと放火事件の関連性を追ううちに、泉は弟の心の葛藤に気付き出す…

<感想>
家族とか、血の繋がりとか、遺伝とか…いろんなことを深く考えさせられる話でした。
突拍子もない自分だけの哲学を持った春に、自分ではごく普通と思っているようだけどどこか他の人とずれている泉、そして世の「親」の鑑と言える(と私は思う)父と母。
いい家族だな…と思います。
春はガンジーのことを心の底から尊敬していたようですが、おそらく「この世で一番尊敬している人間」は「父」だったのだと思います。
父の最後の台詞にはぐさりとやられました。

あとは、春の「赤の他人が父親顔するんじゃねえよ」
これもすごく好きなセリフです。前の方の女子高生のエピソードがあるからこそ、このセリフの持つ「意味」が伝わってくるんです。
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