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書簡

太陽の読書記録

2024'04.25.Thu
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2005'02.17.Thu



小山歩:著
ジャンル:異世界ファンタジー
好き度:4.5

<あらすじ>
将軍家に生まれ、文武に秀で「神童」と称された天才、戒。
将来は将軍と成り、再王となる公子明を支える立場にあった彼は、母の遺言に従い、地位を捨て、名誉も捨て、恋を諦め、夢も諦め、道化の猿として明を笑わせるためだけにその身を捧げた。
再を滅ぼした愚者として、哂われ蔑まれ、国中の嫌われ者として歴史に刻まれた彼の真の生涯とは…

<感想>
序章を読んだだけで泣きそうになりました。
とにかく、戒が哀れで不憫でなりませんでした。
彼は一体何のために生まれたのか、なぜあのように生きなくてはならなかったのか…
才能にあふれて生まれたのに、真に理解されることもなく、埋もれていった彼の業績が切ないです。
でも、何よりも彼が哀れなのは、こんなにも多くの人に愛されているというのに、その愛情に気づかず、自分は誰からも愛されない運命にある、とあまりに長い間思い込んでいたことだと思います。
もっと早く、周りの人の愛に気づいていたら、もっと違った人生があったのではないかと悔しいです。
それでも、最後の最後に、彼が生きる意味、生まれた意味を見つけ、自分が「舞舞い」であることを受け入れることができたことが救いです。
「戒」の名は再にとって嫌われ者であっても、彼自身は決して嫌われ者ではなく、彼を慕う者の記憶が民の間に根付いていってくれてよかったです。

終章に入る前は、とにかく辛くて辛くて読むのがいやだったのですが、最後の最後で「よかったね、戒」「がんばったね、戒」と言ってあげられる内容になって、本当によかったです。
安らかに眠りたまえ…今言いたいのは、これだけです。
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2005'01.26.Wed



恩田陸:著
ジャンル:冒険
好き度:4

<あらすじ>
中学生の練は小学生の妹千華子と、継母(離婚済み)の千鶴子の3人で、南米で考古学をしている父、賢の元へ訪れた。
毎年恒例の楽しみな休暇のはずだったのに、遺跡に向かう途中のヘリコプターでクーデターに巻き込まれた。
ジャングルに放り出された練と千華子、クーデターの人質にされた賢と千鶴子。
2人は無事にジャングルから抜け出せるのか、4人が再び出会うことは出来るのか…

<感想>
兄妹って、大好きです!(もうさんざん言ってるのでことさら強調しなくても分かってると思いますが)
でもこの話は珍しく、練・千華子兄妹より、練とニコの関係に惹かれましたv
ニコ、なんだか裏がありそうな感じだな~と思ったけど、うーん、なるほど!
かっこいくて可愛くて、しかも美少年!華奢に見えてめちゃくちゃ強くて切れ者って!!すごいツボでした(><)

ところどころ、消化不良なところはありましたが、全体的にはおもしろい話でした。
ラストがちょっとあっさりしすぎな気がしますが…成人の儀式の部分が一番面白かったな…
2004'11.24.Wed

『プラネタリウムのふたご』(いしいしんじ)
ジャンル:現代
好き度:4

<あらすじ>
プラネタリウムの投影者に拾われた双子のテンペルとタットル。
2人は14才を境に別の人生を歩み出す

<感想>
不思議な世界観の物語。なんとなく雰囲気が宮沢賢治っぽいなと思いました。



『Q&A』(恩田陸)
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
これからあなたに幾つかの質問をします。ここで話したことが外に出ることはありません-。これぞ小説! 質問と答え(Q&A)だけで物語が進行するリアルでシリアスなドラマ。(bk1:内容説明)

<感想>
すべて質問と回答で書かれた文章には思わず脱帽。
そして、集団パニックに恐ろしさを思い知りました。現実でも起こりうる怖さですよね…



『GOTH』(乙一)
ジャンル:現代ミステリー
好き度:3.5

<あらすじ>
森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を見物に行くことを決めた…。(bk1:内容説明)

<あらすじ>
グロイのを我慢すれば、面白かったです。
いちいち作者に騙されながら読んでました(苦笑)
そして、未だかつて無いほど痛い主人公達に戸惑いを感じつつも新鮮でした。
2004'11.01.Mon


恩田陸 著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5

<あらすじ>
耽美女流小説家、重松時子が薬物死してから4年…
時子の家「うぐいす館」に集まった、時子の親戚4人と時子の担当編集者。
5人の女性が時子の死の真相に迫る、3日間の密室劇

<感想>
時子の異母妹の静子の告白から始まる5人の心理戦が面白かったですv
腹のさぐりあいが…ね。(ね、と言われても)
私は死体が出てくる本は怖くてあまり好きでなかったのですが、恩田さんの本は薬物死とか、そんなに気持ち悪くない死に方なので、推理の方に集中して読めるのでいいです。

映画バージョンも見てみました。かなり原作に忠実だったのではないかと思います。登場人物のイメージもぴったりでしたv
ラストだけ変えてあったのはどういう意図なんだろうか、と思いましたが。
ラストは映画より原作の方が納得がいきましたね、私は。
2004'10.30.Sat


恩田陸:著
ジャンル:学園/青春
好き度:5

<あらすじ>
伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みの間、そこに残ることになった美国、寛司、光浩、そして何かにつけて顔を出しにくる自宅生の統。
クリスマスの日から元旦まで、4人が過ごした7日間の物語

<感想>
好きです、この話。青春のほろ苦い感じがします。

この物語、全体がかもし出す「冬」の情景が綺麗です。
読んでいた日がたまたま寒い日だったというのもあるかもしれませんが、身が引き締まるような冷たい廊下とか、鍋物の温かさとか…そういうものが読んでいて実感として浮かんでくる…そんな感じです(うまく言い表せませんが)
この話の舞台は「冬」でなければならなかったと思います。クリスマスから正月にかけての期間って、なんだか少し特別な時期という気がするんですよね。その時期だからこその感傷なんではないかな。(ごめんなさい、自分でも何言ってるんだか分からないです)
「冬といって思いつく作品は?」と聞かれたら、今度からはこの作品をあげたいなと思います。

男4人の関係もよかったです。なんというか、絶妙な距離感なんですよね、近すぎず、
離れすぎず。
女4人じゃこうはいかないと思いますね。あくまで少年4人だから成り立つ話。
そもそも、男の子4人って設定に弱いってもあるんですけどね(笑)『スタンドバイミー』とか好きだし。
でも、スタンドバイミーにしても、指輪のホビットにしても、竹芝の四連にしても、中心になる2人がいて、あとの2人は場を和ませたりするような役割ですけど、この話はだれにも偏らず、4人全員が主人公ってところがいいです。
ちなみに私は統が好きですv
2004'10.21.Thu


恩田陸 著
ジャンル:現代コメディー
好き度:4.5

<あらすじ>
すべての始まりは黒い紙袋が入れ替わってしまったこと。
東京駅周辺にたまたま居合わせた27人と1匹が織りなすドタバタコメディ

<感想>
いやぁ、面白かったですv
本当に、よくもまあ、同じ日に同じような場所でいろんな人がややこしいことを…っ!(笑)
とにかく登場人物が多いです。しかも、登場人物すべてが主人公!
一見ばらばらそうなエピソードが次々と重なり合って、まさに「ドミノ」!!
恩田さんってこんな話も書けるのですね~。
2004'10.15.Fri

恩田陸 著
近未来SF
好き度:5

<あらすじ>
化学物質や産業廃棄物の処理をまかされ日本人だけが地球に残された近未来。
壮大な受験を乗り越え、将来を約束された「卒業総代」を目指して大東京学園に入学した、アキラ、シゲル。
2人は学園へ向かうバスの中で出会い、意気投合する。
そんな2人を待ち受けていたのは、閉鎖され監視された絶望のうずまくキャンパスライフであった

<感想>
激しく面白かったです!
近未来なんだけど、過去に何度も繰り返されてきた過ちのようにも感じたし、
これから起こりうる現実を見せ付けられたようにも感じました。
キャラがみんないいですねv主人公のアキラとシゲルはもちろんだけど、
新宿クラスのメンバーとかおねえ言葉のアタミとか好きですv
あと面白いのが、前世紀のサブカルチャーの研究として、馬鹿まじめに「ポッキー」について議論してたり、コスプレの定義について語ってたりすること(笑)

恩田さんの作品は最後がすっきりしないのがたまにあるけど、これは結構きれいに終わったかな~と思いますv
以下ネタバレ反転
裏切り者が誰か最後まで分かりませんでした。まさかあの人だったとは!
シマバラたちの考えどおり、新宿クラスの中にいるのかな~と考えてたのですがいなくてほっとしました。
イワクニかオオムタあたりが怪しいかなと思ってたのですが、イワクニがシマバラを先に行かせたシーンでそう思ったことを恥ずかしく思いました…やっぱり見た目どおりにイイヤツだったよ!この人!!
恩田さんって一見いい人そうなのが実は黒幕ってパターンが多いのでいらん疑いをかけてしまいましたよ。
にしてもオワセとイワキが死んじゃったのは悲しかった…2人は手をつないで…のくだりで泣きそうになりました。
あとハママツとトワダも…最後まで笑い続けたって…!!(号泣)
このへんまで読んで「もしかした全員死ぬのか!」と思いましたが、そこまで理不尽じゃなかったですね、恩田さんはv
2004'10.02.Sat


小野不由美:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
親戚の集まりで暇をもてあました4人は「四人ゲーム」をしていた。
ところが、いつの間にか座敷童が一人迷い込んで5人になっていた。
食事の席で起こった中毒事件の犯人、そして座敷童は誰なのか!
5人の子どもたち(うち一人は座敷童)は謎に迫る

<感想>
「くらのかみ」…おそらく漢字で書いたら「蔵の守」なのでしょうけど、
脳内一発変換は「闇の神」(笑)
座敷童が混じってしまったことで推理がおかしくなるのですが、
私は最後まで誰が座敷童か分かりませんでした。
2つの謎解きをしながら読むと楽しいと思いますv
2004'09.25.Sat
恩田陸:著


『三月は深き紅の淵を』
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5
「三月は深き紅の淵を」という小説にまつわる4つの短編から成り立つ物語。
本の中にまた本が出てくる、いわゆる入れ子型物語。こういう話大好きですv



『麦の海に沈む果実』
ジャンル:学園ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
三月にしか生徒を受け入れない、湿原の中の三月学園。
二月の最後の日に転校してきた理瀬の運命は…

<感想>
黎二もいいけど、私はヨハンの方が好きですv
見かけ天使、中身腹黒ってのがツボでした(笑)



『黒と茶の幻想』
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
伝説の桜を求めてY島へやってきた4人。
旅をしながら4人はそれぞれの持ち寄った「美しき謎」に挑む。

<感想>
4人の視点で語られる…こういうタイプの話が大好きです!



『黄昏の百合の骨』
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5

<あらすじ>
祖母の遺言でイギリスから帰国して古い洋館に住むことになった理瀬。
そこで待ち受けていたのは…

<感想>
「麦の海~」の続編だというのに、先にこっちを読んでしまいました(汗)大いにネタバレ。
でも、面白かったですーv
2004'09.10.Fri



あさのあつこ著
ジャンル:青春
好き度:5

<あらすじ>
田舎に引っ越してきた原田巧は永倉豪に出会う。
自己中心的な天才ピッチャーと、彼の球をうけるため野球を続けることを決心したキャッチャーの青春物語

<感想>
あらすじだとめちゃくちゃ青臭そうに感じるかもしれませんが、めちゃくちゃ面白いです!
存在は知っていましたが、連載ということで敬遠していた過去の自分を呪いたいです。
なんでもっと早く読まなかったんだろう!!
児童文学の主人公らしかぬ巧がいいです。
未だかつてこんな自己中な主人公がいたでしょうか?(笑)
でも、そんなところが人間くさくて好きです。
彼の天然プレイボーイっぷりが大好きですv姫な巧も好きですが(爆)

弟の青波が可愛いですvいい子なのですよ。
病弱で人と同じコトが出来ないのですが、それでも卑屈にならず、
周りの人たちのことをよく見ていてその人のことを本当に分かってあげられる…天使のような子です。
巧とは正反対ですね(笑)

他にも素敵なキャラがいっぱいでてきます。
1年生メンバーの会話が好きですv楽しくて。
そして素敵で無敵でかっこいい海音寺キャプテンがタイプです。(誰も聞いてない)

とにかく、文句なしに面白いので、読んでない方は是非お試しあれ。




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