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書簡

太陽の読書記録

2024'05.03.Fri
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2004'10.30.Sat


恩田陸:著
ジャンル:学園/青春
好き度:5

<あらすじ>
伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みの間、そこに残ることになった美国、寛司、光浩、そして何かにつけて顔を出しにくる自宅生の統。
クリスマスの日から元旦まで、4人が過ごした7日間の物語

<感想>
好きです、この話。青春のほろ苦い感じがします。

この物語、全体がかもし出す「冬」の情景が綺麗です。
読んでいた日がたまたま寒い日だったというのもあるかもしれませんが、身が引き締まるような冷たい廊下とか、鍋物の温かさとか…そういうものが読んでいて実感として浮かんでくる…そんな感じです(うまく言い表せませんが)
この話の舞台は「冬」でなければならなかったと思います。クリスマスから正月にかけての期間って、なんだか少し特別な時期という気がするんですよね。その時期だからこその感傷なんではないかな。(ごめんなさい、自分でも何言ってるんだか分からないです)
「冬といって思いつく作品は?」と聞かれたら、今度からはこの作品をあげたいなと思います。

男4人の関係もよかったです。なんというか、絶妙な距離感なんですよね、近すぎず、
離れすぎず。
女4人じゃこうはいかないと思いますね。あくまで少年4人だから成り立つ話。
そもそも、男の子4人って設定に弱いってもあるんですけどね(笑)『スタンドバイミー』とか好きだし。
でも、スタンドバイミーにしても、指輪のホビットにしても、竹芝の四連にしても、中心になる2人がいて、あとの2人は場を和ませたりするような役割ですけど、この話はだれにも偏らず、4人全員が主人公ってところがいいです。
ちなみに私は統が好きですv
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2004'10.25.Mon

ジャクリーン・ウィルソン著
ジャンル:現代児童文学
好き度:4

<あらすじ>
妖精好きな少女、ヴァイオレットは絵本作家に出さない手紙を書き続けている。
ハンサムでかっこいい血のつながらない兄は最近、そっけない。
美少女の転校生がやってきて仲良くなった。
ところがその転校生が家に遊びに来たことで困ったことに…

<感想>
血のつながらないカッコいい兄と夢見がちで冴えない妹…ツボなんですけど!
邪推かも知れませんが、兄は妹のことが好きだと思います。別の子に手を出しちゃうのも、妹への秘めた思いを紛らわすためだと(勝手に言ってろ!)←半分以上私の妄想です
2004'10.21.Thu


恩田陸 著
ジャンル:現代コメディー
好き度:4.5

<あらすじ>
すべての始まりは黒い紙袋が入れ替わってしまったこと。
東京駅周辺にたまたま居合わせた27人と1匹が織りなすドタバタコメディ

<感想>
いやぁ、面白かったですv
本当に、よくもまあ、同じ日に同じような場所でいろんな人がややこしいことを…っ!(笑)
とにかく登場人物が多いです。しかも、登場人物すべてが主人公!
一見ばらばらそうなエピソードが次々と重なり合って、まさに「ドミノ」!!
恩田さんってこんな話も書けるのですね~。
2004'10.15.Fri


北村薫 著
ジャンル:現代SF(かな?)
好き度:4

<あらすじ>
自動車事故にあった林真希は誰もいない世界に閉じ込められた。
毎日3時15分になると、前の日の3時15分に戻されてしまう。
繰り返される一日…すべてが無に帰ってしまう一日を151日間繰り返したある日、かかってくるはずのない電話が鳴り出した…

<感想>
藤野千夜の「ルート225」と似たような状況の話なのですが、
こちらの方が救いがあるので好きです。(というかルート225は怖すぎた)
自分だったらこんな状態に閉じ込められたらどうだろう…と考えると結構怖いものがあります。
一番つらいのは、何も生み出すことができないことですね。
日記を書いても、絵を書いても、詩を書いても、
次の日には全部元に戻ってなかったことになってしまう。
これはつらいですね…
2004'10.15.Fri

恩田陸 著
近未来SF
好き度:5

<あらすじ>
化学物質や産業廃棄物の処理をまかされ日本人だけが地球に残された近未来。
壮大な受験を乗り越え、将来を約束された「卒業総代」を目指して大東京学園に入学した、アキラ、シゲル。
2人は学園へ向かうバスの中で出会い、意気投合する。
そんな2人を待ち受けていたのは、閉鎖され監視された絶望のうずまくキャンパスライフであった

<感想>
激しく面白かったです!
近未来なんだけど、過去に何度も繰り返されてきた過ちのようにも感じたし、
これから起こりうる現実を見せ付けられたようにも感じました。
キャラがみんないいですねv主人公のアキラとシゲルはもちろんだけど、
新宿クラスのメンバーとかおねえ言葉のアタミとか好きですv
あと面白いのが、前世紀のサブカルチャーの研究として、馬鹿まじめに「ポッキー」について議論してたり、コスプレの定義について語ってたりすること(笑)

恩田さんの作品は最後がすっきりしないのがたまにあるけど、これは結構きれいに終わったかな~と思いますv
以下ネタバレ反転
裏切り者が誰か最後まで分かりませんでした。まさかあの人だったとは!
シマバラたちの考えどおり、新宿クラスの中にいるのかな~と考えてたのですがいなくてほっとしました。
イワクニかオオムタあたりが怪しいかなと思ってたのですが、イワクニがシマバラを先に行かせたシーンでそう思ったことを恥ずかしく思いました…やっぱり見た目どおりにイイヤツだったよ!この人!!
恩田さんって一見いい人そうなのが実は黒幕ってパターンが多いのでいらん疑いをかけてしまいましたよ。
にしてもオワセとイワキが死んじゃったのは悲しかった…2人は手をつないで…のくだりで泣きそうになりました。
あとハママツとトワダも…最後まで笑い続けたって…!!(号泣)
このへんまで読んで「もしかした全員死ぬのか!」と思いましたが、そこまで理不尽じゃなかったですね、恩田さんはv
2004'10.02.Sat


小野不由美:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
親戚の集まりで暇をもてあました4人は「四人ゲーム」をしていた。
ところが、いつの間にか座敷童が一人迷い込んで5人になっていた。
食事の席で起こった中毒事件の犯人、そして座敷童は誰なのか!
5人の子どもたち(うち一人は座敷童)は謎に迫る

<感想>
「くらのかみ」…おそらく漢字で書いたら「蔵の守」なのでしょうけど、
脳内一発変換は「闇の神」(笑)
座敷童が混じってしまったことで推理がおかしくなるのですが、
私は最後まで誰が座敷童か分かりませんでした。
2つの謎解きをしながら読むと楽しいと思いますv
2004'09.28.Tue

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著
ジャンル:ファンタジー
好き度:5

<あらすじ>
<人間>と<巨人>と<グリグ>が住む土地[湿原]
一人の<人間>の子どもが、<グリグ>のもつ首環ほしさに、
グリグの子どもを殺してしまった。
死ぬ直前にグリグの子どもがかけた呪いによって
首環の持ち主は不幸にさらされるようになる。

月日はたち、<人間>の長の子ゲイアは、姉弟たちのように才能に恵まれていないことでコンプレックスを感じていた。ゲイアは<巨人>の子と仲良くなり、首環の呪いを解こうとするが…

<感想>
ダイアナさんの初期の作品です。後書きにはひねりが少ない…云々と書いていましたが、私はこの作品かなり好きですv
ダイアナさんらしく、読み手を騙すにくいことをやってのけてくれてますv
[ガー塚]の三兄弟が大好きですv
ゲイアはもちろん、姉のエイナも弟のセリも可愛くて好きですv
なんと言ってもゲイアに絶対的な信頼を寄せているところがいいですv
そして、兄弟より劣っていると思いながらも、卑屈になって諦めるのではなく、
知恵を求めるゲイアが素敵ですv

個人的には<巨人>のジョージとジェリーが気に入ってます
(あまり同士はいないだろうな/笑)
なんか、いい大人が…と思うと微笑ましくて(^^)
初めは頭が固いお偉さんかと思いきや、ずいぶん柔軟な頭をしてらして可笑しかったです。
2004'09.26.Sun


瀬尾まいこ:著
ジャンル:現代
好き度:5

<あらすじ>
海の見える高校で臨時の国語教師をしている清(きよ)。
彼女は高校時代、熱血バレー部員であったが、一人の後輩の死によって、
夢も希望も失い、ただなんとなく日々をすごしていた。
バレー部の顧問を希望したが、割り振られたのは部員一人の文芸部。
清は、運動神経抜群なのに図書室でひたすら本を読む部員の垣内君の気持ちがわからない。しかし、彼とすごすうちに清の擦れた心がしだいに癒されていく…

<感想>
とっても甘酸っぱくて読後さわやかな物語でしたv

不倫をしていても癒されなかった清の凝り固まった心が、垣内君と文学談義(と言っても清はろくな意見はいいませんが)をしているうちに和らいでいく様子が読んでいて気持ちよかったですv
垣内君も、文学にはうといしやる気もない清と一緒にいることで、何かをもらっていたんだと思いますね。
清にとっても垣内君は忘れられない生徒になったと思うけど、垣内君にとっても、清は恩師とは言えないけれど、いつまでも心に残る先生であり続けるんだろうな、と思いますv

「記念写真」(長原啓子 著)と同じように、思い出したときになんとなく読み返したくなるようなそんな本。
2004'09.25.Sat
恩田陸:著


『三月は深き紅の淵を』
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5
「三月は深き紅の淵を」という小説にまつわる4つの短編から成り立つ物語。
本の中にまた本が出てくる、いわゆる入れ子型物語。こういう話大好きですv



『麦の海に沈む果実』
ジャンル:学園ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
三月にしか生徒を受け入れない、湿原の中の三月学園。
二月の最後の日に転校してきた理瀬の運命は…

<感想>
黎二もいいけど、私はヨハンの方が好きですv
見かけ天使、中身腹黒ってのがツボでした(笑)



『黒と茶の幻想』
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
伝説の桜を求めてY島へやってきた4人。
旅をしながら4人はそれぞれの持ち寄った「美しき謎」に挑む。

<感想>
4人の視点で語られる…こういうタイプの話が大好きです!



『黄昏の百合の骨』
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5

<あらすじ>
祖母の遺言でイギリスから帰国して古い洋館に住むことになった理瀬。
そこで待ち受けていたのは…

<感想>
「麦の海~」の続編だというのに、先にこっちを読んでしまいました(汗)大いにネタバレ。
でも、面白かったですーv
2004'09.25.Sat


片川優子 著
ジャンル:青春ファンタジー
好き度:4.5

<あらすじ>
幽霊が見える高校1年生の弱気な主人公佐伯くん。
幽霊に憑かれやすい女の子、佐藤さん。
お調子者で話好きな幽霊の安土さん。
3人のおかしな関係が始まった。

<感想>
現役高校生のデビュー作だと知ってびっくりしました。それはさておき、
図書館に置いてあって何の気なしに手にとって読んでみたのですが、ツボりました。
おもしろいです(><)キャラがいいのです、とにかく!
弱虫で臆病で優柔不断だけど、バカがつくほど正直で純粋な主人公に、
普段は「いい人」を演じているけど実は強気でしっかり者な佐藤さん。
この2人の掛け合いが楽しくていいですv
そしてなんと言っても、佐藤さんに憑いた幽霊の安土さんがすごくイイです!
おしゃべりでお調子者。幽霊なのに悲観したところがちっともないのが素敵ですv
(あ、ちなみに安土さんは20歳くらいの男性です)
主人公の友人の志村くんも格好良くて好きですv

文体も読みやすいし、今後が楽しみな作家さんですv
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