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書簡

太陽の読書記録

2024'04.20.Sat
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2006'06.02.Fri

六つのルンペルシュティルツキン物語
ヴィヴィアン・ヴァンデ・ヴェルデ:著
ジャンル:ファンタジー
おすすめ度:4.5

オギワラーとしては親しみやすい「ルンペルシュティルツキン」の6つの物語。お伽話の矛盾点から、本当はこうだったのですよ、と6パターンの物語を展開させます。
どれも面白かったですけど、個人的にはエルフのルンペルが純情一途で好きですv六話目の図々しい粉屋の娘と呆れながらも紳士な対応をする王様…という話も笑えましたが(笑)
ところどころに込められた皮肉もナイスです!
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2006'06.01.Thu

アコギなのかリッパなのか
畠中恵:著
ジャンル:現代ミステリー
おすすめ度:4.5

<あらすじ>
21歳の大学生・佐倉聖は腹違いの弟を養うため、元大物国会議員・大堂剛の事務所に事務員として勤めている。ここに持ち込まれるのは、大堂の弟子にあたる議員からの様々な問題。飼い猫の毛の色が変わる謎、後援会幹部が何者かに殴打された事件の始末、宗教団体へ入信の秘書が寄進した絵画の奪還…などの厄介ごとに関わった聖は、元不良の負けん気と機転の利く頭で、センセイ方顔負けの“解決”を成しとげてしまうのであった―。昔は不良だった事務員が、元大物代議士のもとに持ち込まれる陳情、難題、要望から、その裏にある日常の謎を解決する現代ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

<感想>
政治家事務所で事務員をしている21歳の佐倉聖の苦悩の日々。
畠中さんは、「しゃばけシリーズ」をはじめとした時代物ミステリーは面白いのですが、現代物はいまいち…という印象があったのですが、これは面白かったです。
中学生の弟を養うため、日々奮闘する聖さんのキャラが好きです。
あちこちの事務所で引っ張りだこな彼は、一体誰のところに落ち着くんでしょうか…?(笑)
(個人的には「王子様」加納さんとのコンビが好きなんですけどねー)
2006'06.01.Thu

恩田陸:著
ジャンル:現代ミステリー
おすすめ度:4

<あらすじ>
裏返されたら、どうなる?正体不明の存在「あれ」と戦い続けてきた一家。最後のプレイヤーとなった娘が誘い込まれたのは、罠と嘘の迷宮だった。
(「BOOK」データベースより)

<感想>
常野物語第三段。『光の帝国』の「オセロゲーム」の続編です。
賛否どちらかと言うと否の評価の方が多く聞こえた作品ですが、個人的には結構好きです…。
常野物語と言うより、『球形の季節』の雰囲気に近い気がします。
『球形の季節』は、初めて読んだときは正直よく分からないというか、あまり面白いとは感じなかったのですが、美少年論を書くために「藤田晋」に注目して読んだら、すごく面白くて……
その経験があったせいか、今回の『エンドゲーム』も、火浦に焦点を当てて「翻弄する美少年」「傷を負った美少年」を念頭に置きながら読んだら、なかなか奥深いものがあって面白かったです。
2006'05.29.Mon
米澤穂信:著
ジャンル:日常の謎ミステリー


氷菓
好き度:4
<あらすじ>
神山高校に入学した折木奉太郎は、姉の命令で、現在部員数ゼロで存続の危機にある「古典部」に入部することになった。
「省エネ」をモットーとする奉太郎は、部員一名活動なしで過ごそうと思っていたが、地元のお嬢、千反田えるを筆頭に、友人の福部里志や漫研の伊原摩耶花の3人が続々と入部。
古典部の部誌「氷菓」とカンヤ祭(神山高校祭の俗称)に込められた過去を追うことに…


愚者のエンドロール
好き度:4.5
<あらすじ>
2-Fは、神山高校祭でミステリー映画を制作することになった。
撮影は順調に進んでいたが、終盤にさしかかりトラブルが発生。
脚本担当者が急病で倒れて、ラストの結末が分からなくなってしまった。
困った2-Fは、助っ人として古典部に結末推理を依頼。
「省エネ」の奉太郎は、またも千反田の「わたし、気になります」に振り回されることに…>


クドリャフカの順番―「十文字」事件
好き度:5
<あらすじ>
ついにやってきた神山高校祭、当日。
古典部はあるハプニングに頭を悩ませていた。
30部の予定だった「氷菓」が、手違いで200部も刷り上がってしまったのだ。
千反田は生徒会や壁新聞部との交渉を試み、福部は古典部の知名度を高めるという名目で様々な行事に熱を燃やし、伊原は漫研で委託販売できないものかと思案にくれる。そして「省エネ」奉太郎は、のんびり地学講義室(辺境)で店番を決め込む。
そんな中、あちこちの部で些細なものが盗まれる事件が発生。
この機に乗じて、古典部は知名度を上げ「氷菓」を完売させることはできるのか!?

<感想>
個人的には、氷菓<愚者エン<クドリャフカ、の順に好きです。
奉太郎のやる気の無さが好きですv
特にクドリャフカでのやる気なさは素敵すぎです(笑)
ほとんど地学室を動いてないですからね。
でも、ちゃんとしめるところではしめてるあたりは、さすがですねvおいしいとこ取りもいいとこだよ(笑)
2006'04.16.Sun

辻村深月:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:5

<あらすじ>
ぼくの学校で可愛がっていたウサギが惨殺された。
そのことがショックで、幼なじみのふみちゃんは登校拒否になり、感情をなくしてしまった。
ぼくはふみちゃんの笑顔をとりもどすため、不思議な力を使って犯人に復讐をこころみる。
勝負は七日後。ぼくは「力」の使い方を習うため、親戚の「先生」のもとへ通うことに…

<感想>
これまでの辻村作品は長すぎて敬遠され気味だったかもしれませんが、今回は長さ、内容ともにとっつくやすく、読みやすいのではないかと思います。
『凍りのくじら』のふみちゃん、松永くん、『子どもたちは夜と遊ぶ』の秋先生、月子、恭司、真紀ちゃんが再登場します。
『凍りのくじら』に関しては、ふみちゃんはちょい役もちょい役なので、先にこちらを読んでもまったく支障はありませんが、『子どもたち~』は秋先生と月子に関して、多少ネタバレ的要素があります。
『子どもたち~』を読んでなければ読み飛ばしてしまうような些細なことではありますが、『子どもたち~』をまっさらな気持ちで読みたい方は、先に『子どもたち~』を読むことをおすすめします。
(逆にこっちから先に読んでたら、秋先生の印象が変わるかもしれないな…とも思いますが)
『子どもたち~』を読んだ方は、是非ともこちらもあわせて読むことをおすすめします。
謎のまま終わっていた部分、月子たちのその後が垣間見れますv

前置きはこの辺にしておいて、本題。
「復讐からは憎しみしか生まれない」とか「憎しみは繰り返す」とか、今までさんざん言われてきていることだけど、もし実際に復讐するとことが出来る能力を持っていたとしたら、自分はどうするだろうか。
仮に復讐をするとして、どんなことを相手に対してするだろうか。
「復讐」とはどういうことなのか、そのことについてすごく深く考えさせられました。
復讐するからには、その復讐した相手の身内から、今度は自分が復讐される覚悟をもつこと。それが出来ないなら初めから復讐なんて考えるな。
「復讐からは何も生まれない」と言うのはたやすいけど、しょせんそれは復讐したいと強く願うほど、誰かを憎んだことのない人間の言葉なんですよね…
復讐を肯定するわけではないけど、少なくともそれに対するリスクは負わなくてはいけないのだと思いました。
「ぼく」の出した結論が正しかったかどうかは難しいところです。
彼はリスクを重く受け止めたつもりだったけど、そのリスクは自分だけが背負っているのではないことに気づけなかった。
そのことを教えられた「ぼく」は、この先能力者として誤った道に踏み外すことはないだろうと思います。
ふみちゃんを救ったのは「ぼく」だけど、それは「ぼく」の「力」ではなく、本当の意味での「魔法の言葉」だったと言うことを重く受け止めてほしいです。

以下に『子どもたちは夜と遊ぶ』関連(ネタバレ)
2006'03.23.Thu


佐神良:著
ジャンル:近未来
好き度:4

<あらすじ>
200×年、首都圏を襲った南関東大震災。
混乱に乗じて日本へ侵攻する<半島国家>による三日間戦争。
国家機能が低迷する中、政府は憲法改正を踏み切り「戦争放棄」と「基本的人権の尊重」を捨て、<切り捨て政策>を断行する。

それから6年…政府に見捨てられた土地「自由地帯」へ、「自然観察部」の研修として足を踏み入れた、高校生3人OB1人教師1人。
メンバー唯一の女性、美月が突然草原に消えた。
彼女の捜索をするうちに密林の中で道を失った4人の前に、突如に白い服に武器を持った子どもたちが現れ、教師を捕らえてしまう…

密林で出会った子どもたちは、かつて英才教育を与えるために集められた麗明学園の生徒たちで、彼らは4つの棟に分かれて、担当する教師から、独自の教育方針に従って教育を受けていた。
震災後、密林に取り残された彼らは、それまで通り、各棟の担当教師のもとで、半島との戦争が終わったことも知らずに、たくましく生き続けていた。

<感想>
『NO.6』(あさのあつこ)と『ロミオとロミオは永遠に』(恩田陸)と『ZERO』(やまざき貴子)を足して3で割った感じ。ついでに『進化論』(芝田勝茂)もブレンドと言った感じ(笑)
いずれかの作品が好きな人には面白いと思います。

4人の教師は、生きていくためにまったく別々の行動をとったけれど、実際こんな状況に陥ったとしたら、どんな行動をとるのが一番正しいのでしょうね…

生きぬくために必要なことはなんなのだろうか…と考えさせられました。
結論として、一番いいのは、「4コースのどれか」ではなく、物語ラストの子どもたちの姿が理想なんじゃないかなと思います。
彼からは、これからも図太くたくましく生きていくことでしょう。
2006'03.21.Tue


あさのあつこ著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:3.5

<あらすじ>
十六歳の永見明帆は、同級生の藍子とつきあっていても冷えた感情を自覚するだけ。唯一、彼が心に留める存在は藍子と同じアパートに住む彼女の幼なじみ、柏木陽だった。藍子の様子がおかしい?そう気づいたある日、母親とけんかした陽が突然泊めてくれ、と訪ねてくる。その夜半、陽のアパートが火事で全焼、藍子も焼死体で発見される。だが、それは単なる事故ではなかった。真相を探り始めた彼らに近づく、謎の存在。自分の心の奥底にある負の部分に搦め捕られそうになる、二人の少年。十代という若さにこそ存在する心の闇を昇華した、著者渾身の問題作。
(「BOOK」データーベースより)

<感想>
冒頭から物語に引き込まれて一気に読んでしまいました。
ただ、ラストは消化不良気味。
題材はいいだけに、すべて解決されていないというか、伏線が伏線で終わっているところが目に付きました。
なんとか無理矢理終わらせた感があるのは、続編を書くつもりだからなんでしょうか?
2006'03.13.Mon


米澤穂信:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
銀行員を辞職し、地元で探偵業をはじめた紺屋長一郎。
犬探し専門を希望していたが、創業そうそう舞い込んできた依頼は、失踪した孫娘の捜索や古文書の解読。
おまけに探偵に憧れていたという高校時代の後輩(フリーター)が雇ってくれと言い出して…

<感想>
米澤さんの本は2冊目。
結論、好きです、この作家さん。
後輩半田くんの事件と紺屋さんの事件がどこかで絡むんだろうなーということは大体察しはついていましたが、うーん、見事。
騙された感はありませんが、面白かったです。(ラストはちょっと背筋が寒くなりましたが…)
続編を書けそうな余白を残しているように思います。
チャット仲間のGENさんや大南さんの活躍する話も読んでみたいなーと思います。
2006'03.03.Fri

米澤穂信:著
ジャンル:日常の謎ミステリー
好き度:4.5

<あらすじ>
小鳩くんと小山内さんは、高校進学を期に、『小市民』を目指して、お互い精進し合う関係だ。
ただ平穏な日常を送りたいだけなのに、小鳩くんの小学校時代の友人健吾に振り回されたり、小山内さんの自転車が盗まれたり、なかなか思うようにはいかなくて…

<感想>
某さんの日記で紹介されていたので読んでみたのですが、これは楽しかったです!!
小市民になりたいのに、どうしても昔のくせが出てしまう小鳩くん。
小市民への努力は小鳩くん以上だけど、時々昔の顔を覗かせてしまう小山内さん。
恋人じゃないけど、友達でもなくて、敢えて言うなら「同士」という二人の過去が気になります!
続編ももうすぐ出るようなのですが、そのとき2人のなれそめは語られるのでしょうか…楽しみですv
あと、小鳩くんの友人の健吾も楽しくて好きなキャラです。
彼が今後、どんなふうに2人に絡んでくるのかも楽しみv
2006'01.01.Sun


伊坂幸太郎:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5

<あらすじ>
異父兄弟の泉と春。
春は母親がレイプされたときに出来た子ども。
二人はとても仲が良く、いつも一緒だった。

壁に書かれた落書きと放火事件の関連性を追ううちに、泉は弟の心の葛藤に気付き出す…

<感想>
家族とか、血の繋がりとか、遺伝とか…いろんなことを深く考えさせられる話でした。
突拍子もない自分だけの哲学を持った春に、自分ではごく普通と思っているようだけどどこか他の人とずれている泉、そして世の「親」の鑑と言える(と私は思う)父と母。
いい家族だな…と思います。
春はガンジーのことを心の底から尊敬していたようですが、おそらく「この世で一番尊敬している人間」は「父」だったのだと思います。
父の最後の台詞にはぐさりとやられました。

あとは、春の「赤の他人が父親顔するんじゃねえよ」
これもすごく好きなセリフです。前の方の女子高生のエピソードがあるからこそ、このセリフの持つ「意味」が伝わってくるんです。
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