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書簡

太陽の読書記録

2024'04.20.Sat
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2005'09.16.Fri

恩田陸:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4.5

<あらすじ>
あの夏の日、少女たちは川のほとりにある「船着場のある家」で合宿を始めた。夏の終わりの演劇祭に向けて、舞台背景の絵を仕上げるために。それは、楽しく充実した高校生活の最高の思い出になるはずだった。ひとりの美しい少年の言葉が、この世界のすべてを灰色に変えるまでは…。そして、運命の歯車は回り始めた。あの遠い夏の日と同じように―。運命の岸辺に佇む少女たちの物語
(「BOOK」データベースより)

<感想>
暁臣はヨハン属性ですね。黒い美少年大好きですvでも、鬼畜さで言えばヨハンに勝る人はいませんね(笑)
ネバーランドの女バージョンと思いきや、やはり女同士だとあぁいう雰囲気にはなりませんね。
登場人物の中では、一番微妙な位置にいる芳野さんが一番好きかもしれません。

↑は読み終えた直後の感想。
2回目読了後は、ひたすら暁臣が愛おしくてたまりません。
黒いようで黒くなりきれなかった、実は繊細で傷つきやすい美少年です。
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2005'09.09.Fri

小路幸也:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
10年後またここで会おう。そのとき、君が幸せだったら「それ」は君のもの。
約束のその日、彼女は現れず、かわりに彼女の夫と名乗る男がやって来た。
彼女は3年前から失踪していると言う…
原之井は彼女を捜すため、旧友の巡矢に連絡をとる…

<感想>
初めの方は、普通に面白いミステリー小説だな、と思いながら読んでいたのですが、最後の10ページくらいから、「えっ!ええっ!?そんな~~」という感じで、めちゃくちゃ切ない展開に…
と言うか、初めから巡矢の視点で読むと、この話果てしなく切ないです(><)
ちょっと、前半つじつまの合わないところもあったりするのですが、それを差し置いても、なかなかよかったです。
この「HEARTBEAT」(心音)というタイトルさえも切なく感じます。
ていうか、巡矢ーーーーー!いいヤツですよ、もう!!!(涙)
2005'09.09.Fri

伊坂幸太郎:著
好き度:4

<あらすじ>
大学に進学し、一人暮らしを始めた椎名は、引っ越したその日に隣に住む河原という美青年に出会う。彼は突然、椎名に「一緒に本屋を襲わないか」と声をかける。
半ば強引に本屋襲撃に付き合わされる椎名。しかし、河原のその行動の裏には二年前のペット殺し事件が絡んでいた…

<感想>
現在と二年前の二つの視点が交互に語られるのですが、二年前の中心人物が3人いるのに、現在では、そのうち河原一人しか登場しないのが、先の不幸を予想させて切ないです。
でも、私が予想して通りの展開ではなく、一工夫(一細工)しているのがさすがだな、と思いました。
見事、騙されていました!
真実を明かされたあと、それまでの河原の行動を思い起こしてみると切ないものがあります。
ちょっと「それはどうかな?」と思う部分はありますが、なかなか面白かったです。
2005'09.06.Tue


ジョージ・R・R・マーティン
ジャンル:異世界ファンタジー
好き度:5

<感想>
氷と炎の歌シリーズ第二弾。『七王国の王座』の続編です!
前作が大好きだったので、続きが早く読みたい!と思っていたのですが、なかなか図書館に入らなくて…
今回も前作に負けず劣らず、スピーディーな展開で!しかもいいとこで次巻へ続く…となるところが憎らしい(><)

とにかくやばいです、面白すぎる!
どんどん、どろどろしてくる人間関係と複雑化する勢力地図!
前巻同様、視点人物が章によってかわる手法もいろんなキャラに感情移入できて好きですv
スターク家の子ども達だと、アリアが一番、今後どうなるか気になります。逃がした大狼のナイメリアにも会えるとよいのですが…
2005'07.22.Fri

恩田陸:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
青柳医院宅で開かれた、当主の貫禄祝いとおばあさんの米寿祝い。知人から送られた酒とジュースで乾杯をしたとたん、その場にいた人は次々と苦しみだした。
家族、隣人もあわせ、十数人の死者を出した大量殺人事件。
生き残った家族は、当時中学生だった緋紗子ただ1人だった。
警察の聞き込み捜査も虚しく、一向に見つからなかった犯人は意外な形で世間に現れることになった。しかし、犯人が見つかった後も、謎は残るばかり…

<感想>
面白かったけど、複雑すぎて頭がこんがらがりました。
結局、最後まで読んでも「え、あれ、結局真相は?え、え?」って感じでした。
もう一度じっくり読み直したいです。

実際の内容は、当時青柳家の近所に住んでいた満喜子が事件を再調査した本に関わった人々へのインタビューが中心なのですが、このへんの書き方は「Q&A」に少し似てるかな、と思いました。

話の内容とは関係在りませんが、恩田さんの本っていつも装丁が素敵だな、と思います。
2005'05.10.Tue

梨木香歩:著
ジャンル:現代ファンタジー
好き度:4

<あらすじ>
祖母が遺した家で、女子下宿舎の管理人をすることになった、染物作家の卵、蓉子。
集まったのは、アメリカから鍼灸の勉強に来ているマーガレット、機織の勉強をしている紀久、テキストスタイルの図案研究をしている与希子、そして幼い頃蓉子が祖母から譲り受けた市松人形のりかさん。
"5人"の穏やかな共同生活が始まる…

<感想>
心がすっと晴れ渡るような、そんな気持ちになれる物語でした。
蓉子、マーガレット、紀久、与希子…個性はまったく違うのに、4人の間に漂う空気がとても穏やかで心地が良くて、何か一つの暖かいものを生み出している…そんな感じがしました。
大人の女の友情…そんな陳腐な言葉では片づけたくない、不思議な関係の4人でした。
そして、常にその4人の心の拠となっていた「りかさん」、今回は前作のようにおしゃべりはしませんが、果たした役割は同じ…いや、それ以上だったかもしれないな、と思います
2005'05.09.Mon


浅倉卓哉:著
ジャンル:歴史ファンタジー
好き度:3

<あらすじ>
友恵と、幼なじみの武蔵、そして親友の弟志郎は、神社の木の下で雷に打たれ、姿を消した…
目覚めた先は800年前の日本…そこで3人はそれぞれ別々の場所で運命の人と出会い、戦乱の中へ巻き込まれていく…

<感想>
少し、辛口の評価になることを先にことわっておきます。
面白かったです。…面白かったんですけど、世間で人が騒ぐほど、手放しで「いい!」とは言い切れないな…というのが率直な感想です。
それぞれのエピソードはぐっとくるものがあっていいと思います。木曾殿の最期のシーンでは、流れこそしませんでしたが涙がこみ上げてきましたから。
でも、なんと言いますか…大風呂敷を広げすぎた感じ…と言うのが一番いいのでしょうか。焦点が定まらず、どこに感情移入していいのか分からなかったです。(私は基本的には、感情移入型の読者なんで)
これは私の勝手な解釈なので作者の意図とは違うかも知れませんが、それぞれの場所で1人1人の人間がいろいろと考え、いろんな思いを抱いて生きて行動してきた結果が歴史を築いている…だから、作者はあえて一つの視点で物語を書かなかったのかもしれません。それはとってもよく分かるんですが、でもやっぱり、一読者としては、木曾なら木曾で、そこだけに、もしくはかなりの重点をそこに置いて書いてくれた方が、もう少し物語りの世界に入って行けたかな…と思います。
でも、同じように、視点を一つにしないで、10人近い人物の視点で書いている「氷と炎の歌シリーズ」(J.R.R.マーティン)は、違った視線であるからこそ物語が重層で深みのあるものになっていると思うので、その辺は文章力の違いなのかな…と思いました。

木曾義仲と巴御前は文句なしに素敵でしたv平家物語は読んでいないので、まったくの先入観なしに読めたのがよかったのかもしれません。
というか、義仲のイメージって「リョウ」の義仲くらいしかなかったもので(笑)
巴は格好いいですね…(あえて、「巴」と書いてます)戦う女性は大好きです。その身に弱さも葛藤も抱きながら、それでも真っ直ぐ戦い続ける女性は本当に格好いいです。
そう言う意味では、後白河院の妻、冷泉の局も好きなキャラでしたv
人物描写自体には文句ないんですけどね…

アマゾンのレビューで「あと10年後に書いて欲しかった」と書いている方がいらっしゃったのですが、私も大いに同意します。
この内容、テーマを書くには、著者はまだ力不足だったのだと思います。


どんどん辛口になっていって、この本好きな方には本当に申し訳ないのですが、どうも私はこの本が伝えようとしているメッセージ自体が好ましくなかったです。
「すべて運命は決まっている」「歴史は決まっている」…ていうのはどうだろうか?と。
それだと、「じゃぁ自分は何のために頑張ってるのよ!」と思ってしまう。
私はそもそも「運命論」というものは根本的に成り立たないと思っているので、この話は受け入れがたかったです。
世の中すべて「バタフライ・エフェクト」(ほんのわずかなことが、世界を大きく変える、という専門用語)だと思いますよ。現代の人間が過去に行ったとしたら、その人間が虫一匹殺しただけで、歴史はまったく違った方向へ向かってしまうだろう…という考えの方が、私は信じられます。

あくまでも、「私は」そう思う、という話しです。
2005'04.27.Wed


宮部みゆき:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:4

<あらすじ>
自転車事故で今多コンツェルン会長の専属運転手であった梶尾が亡くなった。会長の娘婿であり会社の広報部の杉村三郎は、会長の頼みで梶尾の娘と会い、犯人に呼びかけるための本を出すことになる。
しかし、乗り気の妹と裏腹に、結婚を控えた姉の方は何か気がかりなことがあるようで…

<感想>
この本を読んで一番感じたことは
「幸せなことは、そんなに罪なことですか?」

基本的に主人公に感情移入しやすい私は、まわりの人間の杉村さんへの理解の低さ(と言うか、色眼鏡)が耐えられないほど悔しかったです。
実際、人間って裕福で幸せそうな人間を見ると、本人の気持ちや人間性を知る前に、偏った見方をしてしまうものなのかなと思います。
それでも、何を言われても、ショックを受けても、「自分は幸せなんだから」とそっと自分の胸にしまい込み、言い返したり言い訳をしたりしない杉村さんが私は好きです。お人好しすぎる人には弱いんです。
タイプは違うけど、「戒」の戒に少し通じるところがある人だなと思いました。

事件の内容とかには全然触れてませんが、とにかく、私は杉村さんに感情移入しすぎたのでこんな感想になりました。
2005'04.22.Fri


岡島二人:著
ジャンル:現代ミステリー
好き度:5

<あらすじ>
上杉彰彦はゲームの原作者として、イプシロン・プロジェクトの疑似体験ゲーム「K2」のモニターをすることになった。
もう1人のモニター高石梨沙と共に、ゲームに熱中する上杉だが、ある日梨沙が突然失踪したことで、イプシロン・プロジェクトに疑問を感じ始める。
上杉は梨沙の友人、七美と共に真実を見つけるため捜査に乗り出す…

<感想>
めちゃくちゃ面白かったです!
実はこの作品は96年にNHKでドラマ化していて、私は当時、恐いけど面白いこのドラマが大好きで、毎週(毎日だったかも?)楽しみに見ていました。
原作があると知ったのはそれから2年くらいたってからだったのですが、なかなか本が見つからず、最近大学の図書館で発見して読んでみたんですv
そしたらもう!
ドラマと多少違う設定のところもありますが、やはりドラマよりも本家のこちらの方がしっくりいきますねv
私はドラマを見て、いろいろなからくりを知った上で読んでいましたが、何の先入観も持たずに読んでいたら絶対「やられたー」と思ったと思いますね。

「中なのか外なのか…」
物語自体がまさに「クラインの壷」
結局、ラストは中なのか外なのかどちらの場合もありうると思いますが、「外」という結末の方がより怖いですね。
このまま科学が進めば、こういうことも絶対にありえない話ではないと思うと恐いですね…
2005'04.19.Tue


小野不由美:著
ジャンル:疑似日本ミステリー(?)
好き度:4

<あらすじ>
帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻斬りの所業をはたらく闇御前。さらには人魂売りやら首遣いだの魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる…。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。
(「BooK」データベース)

<感想>
切ない話でした…初めは「?」な部分が多かったのですが、ラストの謎解きでは思わず呻ってしまいました。
途中、自分でもいろいろ考えながら読んでたのですが、そういうことだったのか…という感じ。
うーん、直さんも常さんもいい人すぎる…(泣)
菊枝さんも、初めは嫌いだったけど、だんだん好感もってきて、最後にはぐっときましたよ!輔さんとひかるさん(すみません、漢字が分からん;)兄弟がもうちょっと絡んでくれればよかったかな、とそれだけちょっと残念!
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